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AIモデルの中身を知りたい

   2023.05.26 (金) 6:02 AM

・金融出身の個人投資家に会った時、有力ストラテジストの見方が話題になった。そのストラテジストは、どんなロジックで相場を語ったのか。いろいろな見方を語った上で、結論として株はこれから上がると予想した。それが短期的に当たった。でも、その判断にはついていけなかったという。

・人を信頼して、その意見に従うというのも1つのやり方である。まるごと運用を任せるというやり方もある。運用の考え方や、マーケットの予測する時のロジックについてはよく知りたいと思う。

・哲学やロジックを自分の言葉で再現して、納得できるように話せれば、投資プロセスがよく分かっている証であり、自らの投資行動に自信がもてるであろう。

・企業の金儲けの仕組みはどうなっているのか。ここを知るには、その会社のビジネスモデルを理解しておく必要がある。ビジネスモデルとは、企業の価値創造の仕組みであり、長期の金儲けの方策である。

・このビジネスモデルについて、企業は概略を話すとしても、本当の仕組みを詳細に語ることは避ける。他に知られたくないからである。それでも、投資家として、一定程度きちっと理解しておきたい。

・AI(人工知能)では、まず情報をデジタル化して、それをモデル化して、学習させ、予測に活用していく。このモデル化の仕組みが外部から理解できないようだと、そのモデルの構造はブラックボックス化されてしまう。

・ブラックボックスでも、何らかのインプットを入れれば、適切なアウトプットが出てくれば、それが役に立つという見方もできる。しかし、アウトプットが変な場合には、何でそうなったかを知りたい。しかし、ブラックボックスのままでは、その違いが分からない。

・人は、ある現象に相関があるというだけでは十分納得しない。なぜ、そうなるかの因果関係を知りたい。インプットに対するアウトプットの反応を数量的に把握したいと思う。数式モデル化できれば、予測やシミュレーションに使える。

・モデルがブラックボックスではなく、説明できるような中身なら分かり易い。この透明性が解釈できれば、AIへの信頼性が高まる。

・AIはデータベースが基本であり。機械学習で学んでいく。人の判断も入れて学習していけば、AIは一段と賢くなってこよう。ChatGPTが一躍注目されている。筆者も使ってみたが、情報量が十分でない事がらについて聞くと、その反応は首をかしげてしまうものとなった。

・一定の既存情報があるならば、それをまとめてレポート化することは圧倒的に早くなる。しかも、その内容は一見尤もらしい。人間の脳をブラックボックスとして模倣しているともいえる。

・大量の情報基盤を用意して、その汎用モデルを作っておくならば、少量の個別データの学習で、求めるような答えが出てくるようになる。この生成型のAIが一気に実用化されつつある。

・聞く、読む、話す、書くという機能がAIの活用で大幅に進化し、人をサポートするという点で圧倒的に便利になってくる。

・すでにマニュアルがあるものなのか。あるいは、マニュアル化ができるものなのか。その上で、それがルーチンであるならば、定型的な作業としてAIに任せることができよう。ロボットの領域である。

・一方で、マニュアル化できずに、常に新しい分析を必要とする場合は、データを収集して、新しいモデルを構築することが必要となる。また、それがルーチンではなく、非定型で、創造的なことであれば、それを学習してAIに任せることが難しい。

・筆者は、このように理解していたのだが、そうでもないらしい。分析的で非定型の内容でも、AIはどんどん学んで、人に似たアウトプットを超スピードで出してくる。

・分析するというのは、細かく比較することである。逆に統合するというのは分析した要素をまとめて、それを次に活かしていく。独自のアイデアこそが、創造性であるという見方に対して、まとめること、編集すること、予測することにも、オリジナリティがある。筆者は、分析とは比較と予測である、と長年言ってきた。それは、このことを意味している。

・人間の脳は、放っておくと常に楽な道を選ぶらしい。楽なままにしておくと、脳は発達せず退化していく。AIが活用できるということは、そのまま任せてしまうと、人の脳は使われなくなってしまう。

・しかし、そうではないルートがある。AIを活用して、そのサポートを活かして、その上でAIではできないことを追求する。そうすると、ヒトの脳は活性化して、ますます新しい活動を始めよう。

・①衣、食、住、②五感(目、耳、鼻、舌、肌)、③知、情、意、④仁義礼智信、⑤トリプルESG(Environment, Education, Entertainment, Social, Governance)など、様々な捉えられ方があるが、AIはどこまで入ってくるのか。美感遊創をいかにモデル化するか。ブラックボックスでなく、その中身を知りたい。

・そして、株式投資の極意もAI化して、それをサポート役に、自らの脳を活性化させたい。若々しい脳を保つAI付株式投資に注目したい。

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