ファンダムの中での情報の活かし方
2026.09.06 (日) 11:00 AM
・車社会が本格化した頃、自動車は走る凶器を言われ、公害を撒き散らすと批判された。自動車事故は、ピーク時には年間1.6万人が死亡したが、2024年でも2600人が亡くなっている。1970年代に光化学スモッグの発生主因は車の排気ガスであったが、今では大きく改善されている。
・一方で車は弱者のためにある、ともいわれた。車は無くてはならない乗り物、重要な移動手段、楽しいエンタメ空間となっている。AI時代を迎えて、マイカーや公共交通のあり方は一新されていこう。AI活用型自動運転のルール作りが進もうとしている
・インターネットとスマホの登場で、われわれの生活は圧倒的に便利になっている。しかし、犯罪が増え、偽情報が氾濫し、子供や高齢者への弊害が大きな社会問題となっている。
・SNSはどう規制すべきか。生成AIの性能向上が、これまでの社会のセキュリティを根本から破壊してしまうかもしれない。サイバー攻撃の強力な武器となりつつある。どう折り合いをつけていくのか。
・SNSを多用するトランプ大統領は何者か。まるで王様のような振る舞いである。民主主義の下、選挙で選ばれているとはいえ、その行動はワンマンで、ルール無視のようにも見える。
・リーダーがリーダーシップを発揮して、世の中を大きく変えようとする時、大胆な決定と行動が要求される。それが国民、市民、大衆が求めるものか。選挙で選ばれたのであるから、民意を代表しているはずであるが、多様な意見の中で、一方向へ大きく舵を切ると摩擦熱も高まる。
・米国は自由と民主主義を標榜し、それを正義として、中国、ロシア、イランなど、別の体制を打倒しようとする。しかし、共産主義のような権威主義、特定の独裁主義や宗教的対立に直面すると、米国の望む方向に世界を安定させることは容易ではない。
・国民、市民、大衆といわれる人々は、どのように判断し、行動すればよいのか。情報は氾濫しているが、なかなか真偽がわからない。理解して利用しようとしても、納得できないことも多い。マスメディアのニュースやメッセージが一方的と感じることも多い。
・SNSでは断片的で断定的な情報が、これでもかと流されている。そこを見に行くと、洗脳されて、出られなくなりそうである。別の意図を持つ誰かの作戦かもしれない。それに乗って、自らを偏見のかたまりにしていくことはとても受け入れられない。
・自分の意見はどうかと問われても、曖昧なままにとどまっている。みんなの意見ははっきりしているというが、みんなとは誰か。私はそのみんなをよく知らない。知らない人々の意見を迂闊に信用することはできない。
・民主主義の仕組みでは、このみんなの意見が反映されていく。多数と少数の違いはあるが、それが多数決で決まっていく。この多数決という仕組みもよくよく注意しないと危うい。少数意見は何らかの形で尊重されるのか、全く無視されるのか。つまり、自らと違う意見を聞く耳を持つのかどうかが問われる。多くの場合、それが機能していない。
・いま「推し活」が流行っている。推し活とは何らかの参加型行動で、英語でいうとfandom activityである。まさにファンとして活動することをいう。「~dom」とは、「~の世界」という意味で、freedom(自由:自由な世界)、kingdom(王国:王様の世界)、wisdom(知恵:知の世界)というように使われる。
・ファンになるというのは昔から誰にでもある。好きな作家、好きなアイドル、好きなスポーツ選手など、好きになれば入れ込んで応援する。単に楽しむだけでなく応援する。
・その応援がどんどんマニアックになっていくこともある。自分で楽しみ、同じ好みの仲間とエンジョイしているうちはよいが、他人に迷惑をかけるような域に、度を越してくると問題が生じる。
・自らの推しを全てに優先するので、その邪魔になるような他の人々を認めなくなる。許容できないので、邪魔をするようになる。妨害や攻撃が過激化して、ルール違反や犯罪に至ることもある。それが社会現象になると、社会に歪みが出てくる。
・社会にはさまざまな問題がある。1人ひとりが全ての問題に関わっている暇はない。自分が関心高いテーマについては一家言あるとしても、そうでない場合は特に詳しくない。
・インターネット検索で、スマホのAIでなんでも調べられる。世の中にある情報を拾ってまとめてくれるのは便利であるが、もとの情報に間違いがあると、その引用が尤もらしくても、あっさり信用わけにはいかない。だまされるかもしれない。
・情報の信頼度を高めるには手間がかかる。一定程度知っていることの確認ならば判断できるが、全く知らない新しいことを学ぼうとすると、あらぬ方向に誘導されてしまうかもしれない。
・世の中は、AIが拾いやすい情報を流して自分に有利にもっていこうとする。元データの大量氾濫が意図的になされる。これがSNSによる情報操作である。
・では、投資に役立つ情報はどうであろうか。何らかの思い込みがあると、自分に都合のよい情報ばかりが目につく。不都合な情報やネガティブな情報は無視したり、軽くみたりしがちである。逆に、マイナスな情報を過大に評価して、あわてて行動し、失敗してしまうこともよくある。
・‘投資における推し活’とは、どのようなことを基本とすべきであろうか。投資対象を、ファンとして長く応援することは大切である。しかし、世の中も自分の好みも次第に変わっていく。それを受け入れて、変化に対応していくことも求められよう。
・投資対象の商品や会社をよく知ることである。そして、応援しつつも、客観的にフォローしていくことである。経営者を知り、運用者を知ることが一番で、その人達が交替する時に価値が継続しそうかどうかを判断したい。本来そうなるはずであるが、そうはいかないことも多いので、注意が必要である。
・大事なことは将来である。将来を予測するのは難しいが、節目のトレンドに重心をおいて、それを軸にして判断の参考にしていく。信頼できる経営者、運用者をじわりと増やしていきたい。その中で、自らのファンダムを創って、投資を楽しみたいものである。
