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デュアルユースを識別して

   2026.10.08 (木) 3:06 PM

・なぜ対立が起きるのか。国家間の対立が紛争の火種になり、戦争にまで行きつく。戦争にルールはあるのか。何をもって勝ち負けを決めるのか。

・産業間、企業間の競争も激しい。イノベーターが新しいことを考え、それを事業として立ち上げる。企業間の競争では、優勝劣敗がはっきり出る。それでも、通常は人命を伴わない。そこにゲームのルールはあるが、このルールは固定されたものではない。

・資源・エネルギーは偏在している。持てる国はこれを活かして、経済発展を図ろうとする。これが自由に手に入るならば、石油や天然ガスを経済合理性の中でふんだんに使うことができる。しかし、資源には限りがある。当然取り合いになる。これが紛争の火種となる。

・ホルムズ海峡を通過する原油は、中国、インド、韓国、日本向けが多い。日本の原油は中東に9割以上依存しており、UAEとサウジアラビアに大きく頼っている。

・サプライチェーンからみれば、エネルギー分散、地域分散は必須であるが、分かっていても目先の経済合理性を優先すると、当然偏りが目立ち修正が効きにくい。

・中東におけるイスラエルの存在は先鋭化している。宗教的な歴史的対立は、共存を許さないのか。また、中東各国の間でも宗派の対立が激しく、力のバランスを保つのは容易でない。

・イランは自らの安全保障と力の確保に向けて、何としても核を保有したい。イスラエルは、自分は核を持ちながら、イランには絶対許容しない。核不拡散(NPT)は国際ルールでありながら、実際には破られている。破ってでも、核を持った方が明らかに有利になっている。

・地政学的には、どこで覇権を争うのか。陣取り合戦は、陸上、海上、航空に加えて、宇宙、海底へと広がっている。核兵器に加えて、ドローン、サイバーAIなどの新兵器が有効性を高めている。

・軍事力を高めれば、専守防衛ではなく、先攻防衛が大義名分になってくる。イスラエルのスタイルは本当に許容されるのだろうか。

・民主主義か権威主義か、官僚制か君主制か。これまでよしとしてきた国の統治システムに歪みが出ており、国家体制をいかに有利に持っていくかという点で、国内的な対立も激化している。今の紛争当事国のリーダーは、誰を見てもまともとは思えない。しかし、彼らが覇権を争っており、戦争を推進している。

・経済安全保障も、常に有事を想定すると、新たな足かせとなる。この足かせを当たり前として事業を展開する必要がある。

・イランは対抗措置として、ホルムズ海峡を封鎖した。これは痛手であった。米国はここを力で抑え込むことができていない。米とイランの停戦はうまくいくであろうか。米国の思うようになるとは思えない。一歩引きながら折り合いをつけていくしかない。

・中国はレアアースを武器化している。台湾の半導体も焦点となろう。米国はAIをSIといてコントロールしようとしている。企業活動が国境を越えて、自由に活動できるという時代は難しくなっている。

・それでも、企業は世界にマーケットを求めていく。経済安全保障に関わる製品・サービスほど、実は付加価値が高い。民需と軍需は表裏一体なので、企業サイドでも的確に裁いていくことが求められる。

・中国とはどのように戦っていくのか。中国式イノベーションでは、国が示す重点分野に、企業、資金、人材を集中させる挙国体制をとる。この中国式イノベーションについて、西村友作氏(中国の対外経済貿易大学教授)は、3段階の戦略をとっていると評す(2026年5月10日読売新聞言論)。

・第1段階は、国の方針の基づく政府支援で、起業とR&Dが促進される。第2段階では、緩い規制のもとで、社会実装が進み、企業間競争が激化する。トライアル&エラーで走る。第3段階では、多産多死の競争で勝ち残った企業が大規模化し、巨大企業が育ってくる。この間、市場ルールの整備も進めてくる。

・実際、人型ロボットは第2段階に入ろうとしている。EV、太陽光パネル、リチウムイオン電池は第3段階に入っている。フィジカルAIは、第1段階にあろう。

・こうした国家資本主義のスピードにどう対抗していくのか。新しいアイデアを生み出しても、中国式イノベーションにやられてしまうかもしれない。日本にも、新たな日本式イノベーションを求めたい。そのネタは十分ある。

・台湾の半導体とはどのように付き合っていくのか。10年かけて、台湾半導体への依存度を下げていくことが必要であろう。中国、台湾への依存度を下げながら、その間は台湾の自立性に対して、中国をけん制しつつ、武力紛争に持ち込まれない高等戦術を実行してほしい。

・台湾は、自らの防衛力をどのように保つのか。米国による台湾への武器輸出は、中国を刺激する。日本は、日本市場での台湾企業の活躍と中国企業の活動をうまく拡大させつつ、コントロールしていく。

・相互依存は高める方向にありながら、内製化を強化したい。米中関係、日中関係は摩擦を抱えながら、関係改善を図っていく必要があり、これはやるべきであろう。

・日本の防衛力はどのように高めていくのか。1)中長期の目標を定め、2)備えと運用を具体化し、3)それをいつまでに実現するか。国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安保3文書の見直しが進もうとしている。

・ドローンやAIの活用が進む。宇宙、サイバー、電磁波の基盤強化も必須である。軍民両用(デュアルユース)については、両立と識別を明確にして推進する。

・米国を中心に同盟国との連携を、外交、防衛、経済、文化面で一段と進めていく。自国は自ら守る気概で、予算、技術、人材を育てていくことが求められよう。

・非核三原則はどうするのか。日米安保で、米国に守ってもらうことを原則としてきた。今後とも米国の核に守ってもらうことが前提で、それ以外の道は難しい。それでも、核抑止として十分なのか。

・とすれば、「持たず、作らず、持ち込ませず」はそのままでよいのか。国内に核を配備しないで、本当に抑止になるのか。米国がいつまでもそばにいてくれるのか。そばにいるだけで抑止になるのか。

・中国と北朝鮮が核兵器を保有する中で、日本の抑止力を強化する方策については検討を要しよう。これが難しいのであれば、別の方策をさらに準備すべきであろう。防衛産業の強化は大いに進もう。

・人々の幸福度を高めるには、平和は必須である。それでも紛争は至る所で起こりうる。戦争を抑止し、専守防衛に徹していくための新たな仕組み作りを期待したい。それを支える企業に投資して応援したい。

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