ゴジラとキティ
2026.05.18 (月) 10:05 AM
・ゴジラは東宝が作ってきた。子どもの頃から親しんできた。怪獣映画の実写版は迫力があった。ゴジラは2024年で登場70周年であった。
・2023年の「ゴジラ-1」は、日本はもちろん、米国を中心に海外でもヒットした。ゴジラはIP(知的財産)として、これからも継続的に映像作品にしていく、と東宝の松岡社長は語った。
・映画は当たりはずれがある。映画館の運営は、映画をみせる劇場なので観客の動員数がKPIである。映画館は、映画製作よりリスクは小さい。製作費を抑えればリスクは小さいが、いい映画は作りにくくなる。日本で作ったものが世界に売れればよいが、日本テイストが米国で受け入れられるのは難しい。
・東宝ではかつて映画作りで海外を目指したこともあったが、上手くいかなかった。そこで、映画作りを縮小してしまった。しかし、コンテンツや配給の仕組みで新しい時代が始まった。東宝も力がついてきたので、再び映画作りに力を入れ、海外市場でのヒットを狙っている。
・それが「ゴジラ-1」のヒットであった。米国ではアニメがヒットしている。漫画⇒アニメ⇒映画というパターンで、ヒット作が作られる。コンテンツが充実したものを、迫力のある映画にする。配給の仕組みも整っているので、興行的に成功しやすい。
・アニメをIPとして活用するというのが有力な成長領域である。アニメを日本でみせるだけでなく、世界にもっていく。強力なキャラクターを活かしていく。ゴジラはそのシンボルであり、米国と分業しながら、世界を攻めていくと松岡社長は強調した。
・キティちゃん(ハローキティ)はサンリオが生み出した。昨年50周年を迎えた。誰でも知っているキャラクターである。しかし、特定のコンテンツで1発ヒットを狙うやり方は取らないと、辻社長(37歳)は強調する。
・辻社長は、サンリオの創業者である信太郎氏の孫である。筆者は若かりし頃、創業者のもとにアナリストとして株式営業に行ったことが何度もあり、懐かしい。
・IPとしてのハローキティをライセンスして、サンリオはそれで稼いできたが、近年はキティ依存度を意図的に下げている。経営の安定化、成長には1ブランドに頼るのではなく、キャラクターを多様化して、プラットフォーム化していく戦略をとっている。
・ハローキティをゲーム化して、新しい次のキャラクターを生み出して、それをIP化していく。ゲーム発のIPをコンテンツとして広げていく。かわいいキャラクターが身近に寄り添ってくる。世代を超えて、いかに「寄り添いの時間」を増やしていくか。そして、人々の笑顔を増やしていくか。これがサンリオのプラットフォーム戦略である。
・ハローキティへの依存度はかつて80%もあったが、今や30%まで下がっている。キャラクターのエンタメ会社から、その先のプラットフォーマーを目指している。
・データドリブン経営に力を入れ、クリエイティブをデータで押さえていく。顧客の笑顔を「サンリオ新聞」として分析する。①寄り添いの時間、②夢中の時間、などとみていく。可処分時間を笑顔で増やすという思いを実践している。
・ハローキティに特別なストーリーはない。それがいい意味での良さであると辻社長は語る。人がそれぞれ思うキャラクターになれる。いろんなデザインを出しても、多様に理解されて、よりそうことができる。こういうキャラクターを生み出すプラットフォーマーとして世界に打って出ていく方針である。
・映画「国宝」が大ヒットした。この制作の話が東宝にきた。製作費が大きく、東宝は乗れなかった。そこで、ソニーに話がいった。配給は東宝、制作の一部にも参加した。国宝がこれほどヒットするとは思わなかった。これが海外で通用するであろうか。
・東宝にはCGO(チーゴジラオフィサー)がいる。IPとして継続的に映画を作成し、世界に配信していく。ゴジラ-1は米国でも自ら配給した。「千と千尋の神隠し」を英国に持っていった。さらに各国に持っていくという。
・ソニーはコンテンツを生み出すクリエイターを最も大事にして、クリエイターを育てるべく投資をしている。確かに、漫画からアニメ、アニメをゲーム化し、アニメを映画化すると、そこには音楽がついてくる。
・それを創り出すハード、ソフトが各々インダストリーを形成する。顧客は世界中にいる。オリジナルは日本から、米国からなど、どこ発でもいい。世界の10憶人をターゲットにできれば市場は大きい。しかも、世代を超えていけば、コンテンツやキャラクターは長続きする。グッズとして、ブランドは一段と広がっていこう。IPのコンテン力は強力である。
・このIPをいかに守るか。AIの時代に類似のアバターがいくらでも出てきそうである。AIに負けないコンテンツ創りに期待したい。クリエイターを大事にして、コンテンツ創りに投資する企業に大いに着目したい。
