ホーム > ブログ一覧 > 地政学リスクを乗り越えるには

地政学リスクを乗り越えるには

   2026.10.19 (月) 8:07 AM

・歴史は繰り返さないが、似たような事象は起こりうる。過去の事象に学ぶことができれば、将来のリスクは減らすことができるのだろうか。ものごとを楽観的にみるか、悲観的にみるか。投資家の性格にもよるが、よく分からないことは悲観的に、よく知っていることは楽観的にみる傾向がある。

・イランの核武装は許さない、ということで、米国とイスラエルは、イランに対して先制攻撃を加えた。何が先制で、何が報復か。中東紛争はどの局面から因果を辿っていくか、実に難しい。信頼関係から敵対関係へ、潮目は突然ガラッと変わってしまう。

・トランプ大統領の言動には慣れてきたが、依然として許容しがたいことが多い。ゲームのルールが変わった。脅して交渉を有利にするというやり方に、力ずくの攻めも加わった。イランは、もはや紛争ではなく戦争となった。

・中東からの原油サプライチェーンが止まって、石油不足が始まった。短期で収まるか。インフラが破壊されれば、戦闘が止まったとしても供給の制約が長期化する。

・石油ショックは過去50年で何度も経験している。インフレからスタグフレーションへ、覚悟する必要があるかもしれない。それでも3年もすれば克服できるであろう。

・これまでもそうであったが、中東へのエネルギー依存は改めて見直されることになろう。省エネ、代替エネ、新エネに関わる産業には新たな成長領域が広がろう。

・核兵器を持っている国は強い。核不拡散条約で核兵器国とされる国は、米、露、英、仏、中国である。ウクライナ戦争をいかに収めるのか。ロシアによる領土の侵略を、力の対価として認めざるをえないのか。全面戦争で取り返すというには代償が大きすぎ、賛同も得られない。

・中国と米国の対立はどうか。中国はロシアをどこまで支援するのか。中国はイランとベネズエラから石油を輸入しており、両国との関係を深めていたが、今回の米国の作戦に直接的な動きはみせていない。

・中国は台湾に強硬手段をとるであろうか。自国の内製問題として、時間をかけながら取り込む作戦を継続するであろうか。安全保障と半導体戦略が絡んでいるので、武力行使には及ばないと期待したいが、そうさせないための作戦は必要である。

・権威主義国が力を行使してくると、民主主義国のリーダーはどのように対抗するのか。自国第一義主義では、安全保障が確保できない。トランプのような専制的な防衛攻撃を許容することになるのか。

・はっきりしていることは、「力による正義」がまかり通るということである。一国では対応しきれない。同盟国としての連携を多重に作っていく必要がある。

・インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルも核兵器を保有する。インドとはどのように連携するのか。インドは対中不信ながら一定の輸入依存はある。ロシアとは協調的で、食料、エネルギーなどを輸入している。インドは非同盟国路線であるが、こことは協調していく必要があろう。

・ブラジルはどうか。南米の大国であり、中国との貿易も多い。しかし、一帯一路には入っていない。米国とうまくやっていけるだろうか。

・日本は米国の核の下にある。日米同盟はこれからも必須である。トランプとも、ポストトランプともうまくつき合っていく必要がある。同時に、米国から自立することも求められよう。そんなうまい道はあるのか。

・経済力、防衛力、外交力、文化力の4つを同時に高めていく必要がある。経済安全保障を支える技術力、製造力を高めて、民需、軍需の一定領域で世界最強を確保し、存在感を示し続けたい。

・米国の同盟国として、責任を果たしつつ、米国に一家言を言えるだけの見識と迫力を持っていたい。それだけのリーダーを排出し続けたい。

・日本は専守防衛である。集団的自衛権は行使するとしても、侵略的戦争には絶対に加担しない。それをベースに、対立国とも交渉できるような外交力を確保したい。そして、日本独自の文化を発信し、その魅力を感じてもらえるような交流を続けたい。

・その素養は十分有している。これを株式市場に映してみたら、どのような景色になるだろうか。1)地政学リスクには常に晒されるが、その許容度はどこまであるのか。今のところトランプに対する高市外交は成果を上げている。

・2)企業業績はエネルギー不足によって、一時的に揺らされるとしても、伸びていけるだろうか。AIイノベーションが浸透してくるので、3年単位でみれば、エネルギー問題も克服していけよう。

・3)金融政策と為替はどうか。スタグフレーションを招くような不作為な金融政策はとられまい。為替の安定も確保できよう。

・地政学リスクが高まっている。こういう時は目線を長期に向けるに限る。将来は見えにくい。短期的変動に一喜一憂したくなる。しかし、不確定な事象をリスクとして捉え、それを克服する手を打っていく。

・世界のリーダーにたえず不満はあるが、それは世の常である。常に新たな均衡を求めて、世界経済は動いていく。それを凌いで、乗り切る企業に注目したい。

Blog Category