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長生きしたくなるイノベーションとは

   2026.05.10 (日) 8:55 AM

・長寿社会が進行しつつある。果たして幸せであろうか。余り長生きはしたくない、という声を、健康な人や若い人から聞く。どうしてか。それぞれの身の回りで高齢化した親族や知り合いを見て、苦労している人々が多いからであろうか。

・日本の場合、男性の健康寿命は73歳、平均寿命は81歳、最頻死亡年齢は87歳前後である。女性は3~6年ほど長い。退職後の経済的不安もあろう。今の高齢者は、金融リテラシーが十分でなく、資産形成が適切にできていなかったかもしれない。

・しかし、若い人達はスマホをはじめ、DXに慣れており、NISAなどを通して金融リテラシーも高まっている。それでも老後をイメージすると実感がないので、不安が高まってしまうともいえる。

・未病の時に健康を維持するには、かかりつけ医、かかりつけ薬局が大事である。お金に関しては、タブー視することなく、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談したい。

・デジタル機器については、デジタルバイド(情報格差)を招かないように、DLP(デジタルライフプランナー)に相談できるようにしておきたい。そうすれば金融リテラシーで、不自由ないレベルに向上しよう。

・長生きしている人は元気である。いや、元気だから長生きしているともいえよう。元気な人は、頭と身体と心を楽しく使っている。コミュニケーションの場面をいろいろ持っている。そういうLTV(ライフタイムバリュー)を追求したい。

・マクロ的にはどうか。人口減少には、AIロボットに頑張ってもらうしかない。グローバリズムへの揺り戻しが起きているので、モノもコトのサービスも、自由に世界と取引すればよいという状況は難しくなっている。

・地産地消で経済、社会を回していくウェイトを高めていかせざるをえない。経済安全保障が一定の制約となるが、受け入れていく必要がある。

・制約は不便を伴う。しかし、我慢するだけでなく、制約を乗り越える新しい工夫(イノベーション)を追求したい。人口減少社会ではあるが、やはり若者に期待したい。自分たちの時代を切り開いてほしい。

・若い世代には、AIはもちろん、AIロボットも当たり前になっていく。AI活用はすべての領域に入ってこよう。ここにチャンスを見出す企業が続出しよう。スタートアップも次々と登場しよう。

・一方で、大企業、中堅企業、スタートアップ企業において、脱落していく企業も多発しよう。企業の新陳代謝が進もう。人材は古い企業から新しい企業に流れていこう。リスキリング(必要なスキルの学び直し)は誰にでも求められる。現状に拘って、変化についていこうといない人は、働き場所を失いかねない。どうしたらやる気がでるか。

・人材は貴重である。‘何をやりたいか’ばかりに捉われるのではなく、‘何ができるか’というところから再出発したい。そして、できることを増やしていけば、働く場は必ずある。人手不足が続くからである。

・DeNAの南場会長は、成長領域として、1)スポーツ、2)ゲーム、3)コンテンツ+AI、をあげる。Eスポーツも含めて、スポーツの生の感動は、人間の本性を揺さぶる。ゲームは、コンテンツ、キャラクター、ストーリーを含めてIP(知的財産)の創出力が高い。ここのオリジナリティは世界に通用する。

・どの業界にも、価値創出のコンテンツがビジネスモデルとして存在する。そのコンテンツをAI、DX、ITを活用して革新していく。AIアプリがイノベーションを生む、ここにスタートアップが参入する余地が多い。おもしろい時代始まっている。

・日東電工の高崎社長は、イノベーションを起こす仕組みを社内にビルインしている。ニッチトップ戦略をどのように実践しているのか。

・変化する成長領域のハイエンドのみに密着する。ここでオンリーワンの製品・サービスを作り上げ、シェア№1をとっていく。20年前からこうした方針を推進し、この10年はカルチャーとして定着している。

・顧客と向き合って、真のニーズを掴む。自らのオプションは絶えず用意しながら進む。ニーズの変化は早い。ハイエンドが一定の規模になって、ビジネスとなるとして、製造については拘らない。絶えずオープンで、ロイヤリティで稼ぐ方式である。

・アイディアを社内で募集し、そこからテーマを設定する。テーマから製品化を進め、事業を創り出す。R&Dは顧客ニーズを踏まえて進める。アイディアは2.6万人の社員から、あったらいいな、というものを募集する。実際2600件が出され、そこから5~6件がテーマとなる。新製品、新用途、新需要など、マーケティングの面から実効性をみていく。

・イノベーションを進めるに当たって、ESGも重視している。グローバルニッチトップ、エリアニッチトップなどの経済的価値とともに、地球にとって必要か、人類にとって必要かというプラネットフラッグ(PlanetFlags)、ヒューマンフラッグ(HumanFlags)からみた社会的価値も検討する。

・双方の重なる領域こそが日東電工の本領となる。AIも活用していくが、イノベーションを起こす楽しみや、アイディアを実現していく達成感という感性とのつながりが喜びである、と高崎社長は強調した。

・社会的価値を踏まえたイノベーションを、NTTグループでは‘責任あるイノベーション(Responsible Innovation)’と称している。AIは今やCEOの優先アジェンダである。AIでスピードが早まり、五感を超えてくる。タスクの処理能力は飛躍的に向上する。

・AIでヒトの役割が変わってくる。業務プロセスがガラッと変わってくる。24時間働いてくれるので、50人分、100人分を働いてくれる。

・では、ヒトはAIをガバナンスできるか。①決定、②品質、③感情、④ガバナンスなど、AIが日々進化する中で、ヒトの役割も陳腐化しないようにコントロールしていく必要がある。

・AIは、1)判断を間違えるかもしれない、2)知財を侵害するかもしれない、3)情報を漏洩させるかもしれない。①サイバーセキュリティは大丈夫か、②社員のリテラシーはAIについていけるか、一方で、③オーバーコンプライアンスでは競争に置いて行かれる、④いかに適切なガードレールをたてるか。ここに、責任あるイノベーションのガバナンスが求められる。

・将来は100年人生が当たり前になりそうである。その時に長生きしたくない、ではなく、長生きを楽しみたい、という社会になってほしい。その基盤作りのイノベーションに期待したい。長生きしたくなる新しい価値を生み出す企業に大いに投資したい。

 

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