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主観的か、客観的か

   2026.04.13 (月) 9:35 AM

・できるだけ客観的にものごとをみたい、と誰もが思う。一方で、自分なりの見方を強調すると、それは主観的すぎるのではないか、と言われかねない。

・十分な知識がないと、判断材料をうまく組み立てられない。定性的な材料だけでは思い込みが強くなる。やはり客観的なデータが大事である。しっかりしたデータがあればよいが、十分なデータが集まらない場合も多い。

・自分は素人なので、専門家の意見を知りたいと思う。しかし、専門家もいろいろいて、誰を本当に信頼してよいのか、すぐには分からない。専門家といっても得意、不得意分野があり、思想的に右から左までいる。うっかりすると、自分にとって何となく都合のよい専門家に頼ってしまい、バイアス(偏り)が大きくなることもある。

・行動経済学の大竹先生(大阪大学)の話は興味深い。人は疲れると判断力は落ちて、難しい判断はしたくなくなるという。暑さや寒さでも判断力は鈍る。直感に頼ると、これが間違いのもとになる。何かと比較したくなるが、比較する対象によって、それがバイアスを生むこともある。確かにありそうだ。

・若いときに行動科学を学んだ。人は合理的(rational)であろうとするが、必ずしも合理的ではない。合理的であることを求めているが、ついバイアスに流される。合理的であるには、1)最適性、2)一貫性、3)開放性、を追求する必要がある。

・都合のよい部分最適ではなく、広く全体を見て、何がよいことかを判断する必要がある。その場しのぎの判断によって、辻褄が合わなくなるようでは、的確ではない。物事を論理的に一貫した筋道で詰めていく必要がある。

・情報や考え方を閉じ込めて、狭い範囲で決めつけるのではなく、いつも心を開いて新しい思考に目を見開いていく。このような開かれた姿勢が求められる。

・でも、現実はなかなかついてこない。どこに参照点(レファレンス、参考にする基準点)をおくかによって、判断が変わってしまう。迷う時には、取り敢えず現状のままにとどまってしまう。あるいは変化した方がよいかもしれないと、うっかり別の判断を選んでしまう。どちらもありそうである。意外に、占いに頼ったりもする。

・昨年4月のトランプ関税ショックの時に、どのような行動をとればよかったのか。時間分散、地域分散をして、毎月投資型の投信商品を選んでいる人にとっては、不安があっても投資行動に変化はなかったであろう。これは正解であった。

・とんでもないショックが来た。相場の局面は大きく変わると判断して、ポートフォリオを組み替えた人は、その後、しまったと思ったかもしれない。それも1つの判断であるから、それはそれとして、次に進めばよいが、動かずにチャンスを逃がした人もいよう。

・逆に、ショックはチャンスである。下がったところは買いである、という過去の経験を参考に投資行動をとった人もいよう。この人にとっては、リスクをとったことがその後のリターンに結びついており、うまくいったと喜んでいよう。

・株式市場をみる時の3つの軸は、1)業績、2)金利、3)地政学的リスクである。なだらかな変化は想定内であるが、年に1~2回、数年に1~2回、10年に1~2回あるような断層的な判断的な変化は想定外のことかもしれない。

・その時の投資態度が問われる。不安、不確実になった時に、①一旦リスクから逃げるか、②リスクをとりにいくか、③リスクを下げて待つか。こうしたことを想定しながら、投資判断の訓練をしていきたい。

・トランプのベネズエラ作戦やイランへの防御的先制攻撃は、どう考えればよいのか。日本の安全保障にはどのような影響があるのか。やはり頭の体操が必要であろう。覚悟は必要であるが、十分対応可能であるということになろうか。

・原子爆弾による日本の犠牲者は、1945年末で推定約21万人(広島14万人、長崎7万人)。その後も増え続け、2024年での犠牲者数(死没者名簿ベース)は54万人(広島34万人、長崎20万人)へ拡大した。原爆投下当時の人口(推定)は広島市約35万人、長崎市約27万人であった。

・米国による原爆投下が許されない理由は、1)民間人の大量無差別殺傷、2)長期的な放射線被害の苦しみ、3)人類史上唯一の核兵器使用、4)戦争終結に不必要性な大量殺戮の実行、5)新兵器の実験意図にあろう。

・現在の原爆保有国は9か国、NPT(核兵器不拡散条約)で認められた5か国(米、露、英、仏、中)、それ以外の4か国(インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)である。この他にもイランなど核を持ちたい国はあり、今回はイランがターゲットとなった

・さて、日本はどうするか。①これまでの日米安保で十分である、②拡大抑止に踏み込む、③自ら核を持つ、という選択肢のうち、②へ踏み出すことが難しいとすれば、米国グループの一員として、存在感を確保していくしかない。やむを得ない辛さが続くであろう。

・投資行動は、できるだけ客観的にものごとを見ながら、最後は主観的に判断せざるをえない。しかし、判断は1回ではない。見直しは常に求められる。それを苦痛と思うのではなく、世の中の変化を見据えて、判断を楽しむ行動として受け入れたい。

・経験を積む中で、判断力は高まっていくはずである。パフォーマンスは判断の回数に依存する。合理的な判断ができるように、最適性、一貫性、開放性を追求し、磨きをかけたいものである。

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